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KOREAN BOOK CAFE ちぇっちゃり

─コリアンブックカフェ─

在日歴史スタディカフェ第1回レポート

アンニョンハセヨ?
先週土曜日3/3のちぇっちゃりでは、「在日歴史スタディカフェ(第1回)」を開催しました。
参加できなかった方にぜひ内容をお伝えしたく、今回は少し長めのレポートとなります。

KEYが2017年夏に出した本「在日コリアンの歴史を歩く-未来世代のためのガイドブック-」を一緒に読んで語り合うイベント。
「一世二世の個人史からひも解く在日コリアンの歴史」と題し、本書の第二章の個人史に焦点を当て、その背景となる地域史やキーワードも学ぶ企画です。(開催前のイベント案内ページはコチラ
第1回は、「在日コリアンの渡航・形成」をテーマに、朝鮮半島から渡ってきた、また戦後も国の間で翻弄された在日1世の証言を読んでその背景について学びました。取り上げたのは、下記のお二人です。
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<在日コリアンの渡航・形成>

 Pick Up① 梁元禧(ヤン・ウォンヒ)さん
 「沙羅峯(さらぼん)」は心の故郷 ~「君が代丸」の記憶と不動産の開業~

 Pick Up② 髙春子(コ・チュンジャ)さん
 二つの国にまたがって生きて~済州島四・三事件と「密航」~


参加者は、大学生や教育現場に立つ方、在日の歴史に関心を持つ様々な人、17名の参加がありました。KEYからは、いつもハングル講座に通っている中学生の参加もありました。また、このイベントを通じてKEYを知り、初めて参加してくれた在日コリアン青年もいました。

事前に本を購入して読んでくださった方もいましたが、初めての人が多かったので、まずはじめに、Pick Up①の梁元禧さんの個人史を、参加したメンバーで、セクションごとに声に出して読み合わせを行いました。この内容は、戦後70年の年にKEY大阪で行った学習会の講演録で、青年に語り掛けるような文体なので、読み合わせをすることで、その優しい語り口が再現されるようでした。

読み合わせをした後、2グループに分かれ、個人史から年代を抽出して、年表を作成しました。
梁元禧さんの個人史では、幼心に不安の中で「君が代丸」(1923年から1945年まで済州島―大阪間を結んだ定期航路。この船に乗り多くの朝鮮人が渡日した)で渡ってきた船旅の記憶が鮮明に語られていたり、戦後、貧しい暮らしの中で様々な職を転々とし、一念発起して宅建資格を取得して不動産を開業するも、外国人であることを理由に業界の組合への加入が認められず、同じ悩みを持つ同胞のために「宅信会」を結成した話などが書かれています。また生まれてすぐに別れてしまった母と済州島で再会が果たせたことなど、家族と故郷への思いも語られています。

グループワークでは、証言では明記されていない年代を、何年に生まれ、何歳で何をしたという記述から計算して、年表を作成しました。そうすると、当時の日本と朝鮮との関係や、国際状況といった背景が見えてきます。戦争末期には疎開先の学校で軍事教育を受けたこと等も書かれていました。
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また梁元禧さんは、君が代丸に乗る際、「被扶養者渡航証明書」というものを持たされて渡ってきました。当時、朝鮮半島は日本国に併合されながらも、自由に日本へ渡航できるのではなく、朝鮮人の渡航は管理統制されていました。「被扶養者渡航証明書」は、日本に被扶養者が住んでいること、その住所等が明記され、警察署の印鑑が押されています。いわばこれをパスポート代わりに渡日してきたのです。その貴重な資料(原本の写し)をみんなで回覧しました。
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Pick Up①の後は、カフェブレイクタイム!初めましての方が多かったので、ユジャ茶やコーヒー・お菓子を食べながら、少しおしゃべりしました。
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Pick Up②の髙春子さんの個人史も、みんなで読み合わせをしました。グループ分けをして年表作成する時間はなかったので、全体でホワイトボードを使って整理しました。髙春子さんは母方の親族が済州島4・3事件で無残な死を遂げています。事件の影響で学校にも行けず幼い頃から働きどおしで、結婚後は生活の為、夫とともに「密航」で渡日します。渡日後は身分証のない生活で様々な困難があったこと、済州島に置いて来ざるを得なかった娘への思いや、在留許可が出るまでの屈辱的な日々、そして晩年は夜間学校で文字を学び、四・三事件の体験を作文にし、2013年に解放文学賞を受賞されました。

髙春子さんの個人史では、春子さんが幼い頃に母が語ってくれたという四・三事件の体験が凄惨で、胸に迫って来るだけでなく、春子さん自身の「密航」者としての日本での生活が、いかに不安な日々の連続であったかが、具体的な出来事とともにリアルに伝わってきます。本書の、髙春子さんの個人史の後に掲載している「密航」についての解説コラムを紹介しながら、植民地支配によって生活基盤が日本と朝鮮にまたがった人々が、「不法入国者」とされることの人道的な問題について、渡航した年代と国際状況の背景とを照らし合わせながら、ともに学びました。
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限られた時間の中、内容が多かったため、参加者間でじっくり感想を共有することができませんでしたが、終わってから個別に、とても勉強になった、また参加したいといった声を聞くことが出来ました。

次回第2回は、4/14(土)14時から、開催することになりました。
「在日コリアンの国籍・名前」ということで在日コリアン2世の朴実(パク・シル)さんと朴正恵(パク・チョンヘ)さんを取り上げます。
国籍、名前、アイデンティティ、民族教育、といったことがテーマになってきます。今の在日コリアンが抱える問題とも非常に繋がりがあります。今回参加できなかった皆さんや、新たにこの企画をお知りになった方、ぜひぜひご都合合わせの上、ご参加ください!

参加申込み、お問い合わせは、info@key-j.net まで。
また、ちぇっちゃりのfacebook や twitter でも、お気軽にお問合せ受け付けています☆彡 
https://www.facebook.com/tyettyari/
https://twitter.com/tyettyari

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