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ブックレビュー 柳美里「JR上野駅公園口」

柳美里「JR上野駅公園口」


 本書は2014年に刊行された本ですが、当時、どれだけの人がこのことを知っていたでしょうか?
 私はその例にもれず、当時存在を知らず、2020年、突如「全米図書賞受賞!」というお知らせで知ることになります。
 
 正確には「翻訳文学部門」で名誉ある賞を受けた作品。ようやくではありますが、読んでみました。

 主人公は、福島県相馬群出身で、出稼ぎ労働者として上野駅に降り立った一人の男。
 彼の壮絶な、そして不幸な生涯を描き、そこから戦後日本の光と闇が見えてきます。
天皇、東京オリンピック、高度経済成長、、、華やぐ世界の陰に、同時に進行される「孤独」、「ホームレス」、「山狩り」、、
 私には、見えてない世界と人々が無限にも存在することが、改めて分かります。
 同じ世界に生きながら、まったく違う世界を生きることになる人間。幸せに生きる人もいれば、不幸に陥る人もいる。

 なぜこうも違うのか?
 それは、人それぞれが持つ、才能や能力、自助努力というよりも、「運」というのがもっとも正確な分析ではないだろうかと思う。
 しかし、運命を変えるのは人であり、人が作る社会であると信じたい。そう思わないとやってられない。

 私たちの知性や、理性、意志を揺さぶる、読み応えのある作品だと言えます。

 ちぇっちゃりに来て、是非とも一読ください。
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